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ピアノレッスン♪ヘアドネーション☆そのほか日常も!CFP®は2020年11月に6課目一括合格できました。次は簿記を目指します。

【ピアノ】【物語】書いてみました【お題はピアノ】

こんばんは、はなです(^-^)
今回はピアノをお題にした短い物語を書いてみました。
きっかけは、単純に「ピアノでお話を作ってみて」と頼まれたからです。頼まれたといいましても、「ちょっと話してみて」ぐらいの軽いノリのものです。即興で、何の予備知識もなく素人が書いたものです。私の日常の記録として、載せさせてください。


題『ピアノ』

わたしは木。インドネシアに生えていたの。雨期と乾期を経験しながらぐんぐんぐんぐん背を伸ばした。あるとき人がやってきて、森から町へ移ったの。工場と呼ばれる場所。友だちも一緒だったからちっとも寂しくなかったわ。少し不安はあったけどね。そこでは皮をはがされ、長方形に切られ、黒と白に塗られたの。これまでと違う姿になることにとても戸惑ってしまったわ。でもね、わたしに触れる手はみんな優しかった。森にいたときには感じたことがなかったわ。人の手って、温かいのね。日を追うごとに形を変えて、ついにこう言われたの。「よし完成。いい出来だ。」それから船に乗った。トラックにも乗った。木だったときにもトラックは乗ったのだけど、そのときよりも心地よい。


「よし、ここに展示しよう。本当にいいピアノだ。」柔らかい布でわたしの体を拭きながらそう言ったのは男の人。そのとき初めて、わたしは自分の名前をもらったのよ。『ピアノ』ですって。たくさんの手に触ってもらいながら、ある日聞こえた声がある。「こちらのピアノ、いただけますか?」_____夜の薄暗くなった店内で、わたしを拭きながら、男の人がこう言った。「いってらしゃい。よかったね。」



9月。わたしを迎えてくれたのは女の人。誰よりも嬉しそうにこう言った。「ずっとお待ちしておりました。さあどうぞ。」__待っててくれた?わたしを?送り出されてばかりのわたし。そう言われたのは初めてだった。「きれいだね。名前はスー。」


いま、わたしはその女の人の部屋にいます。大きな体で小さな部屋に。黒く輝きながら。